数学を理解していく、ということの具体的な事例
数学を理解していく、ということ。あるいは、理解するために必要な心構え的なものについて。
2016/05/15_11:18
数学を理解していくということ。
それは、1行1行を納得し、同時に、全体の流れとしても納得する、ということ。
1つ1つの式変形を見るだけで良いのであれば、おそらくさほど難しいことではない。3行目から4行目の式変形のみに目を向けることで、その1行の間に何をしているのかを把握することは、全体をながめ、理解するよりもたやすいはず。
「わからない」に陥るのは、この視点が希薄やからちゃうか、と感じた。
1行1行に分解してみることができない。
常に全体を見渡してしまい、今自分が何をしているのかに意識を集中することができていない。
だから、「何してるのかわからん」ってことになってしまうんじゃないか、と。
そう思ったきっかけは、2つある。
まず、分数を教えててのこと。
分数の足し算引き算の計算方法を、すごく細かく分解して提示したとき。
分数の足し引き算では、通分をする必要がある。この通分の手順がややこしいと感じ、つまづく子がいる。
で、そんな子たちを相手に、まず通分の必要がない(分母がすでに揃っている)問題を解いてもらい、次に通分の部分の式がもう書かれている計算問題を解いてもらい、次に通分するためにかける値が四角で書かれ、穴埋めになってる問題を解いてもらい、最後に自分で通分をしなくてはいけない問題を解いてもらった。
すると、分数の足し引き算ができるようになった子が何人も出てきた。
1つ1つの式変形を、分解して伝えることで、全体としての行程を自分でできるようになるってのを見たことが、1つ目のきっかけ。
2つ目は、文字式の計算で、置き換えを利用して展開していく問題を解説した後、生徒に取り組んでもらったとき。
ある子の解答を見ると、置き換えて、計算し、その置き換えを元に戻すところまでできてるのに、そこから先の式変形ができずにとまっていた。
おそらく、そこまではなんとか手順を経ることができたけども、そこまでで頭がいっぱいになってしまい、先に進めなくなったんやろう、と推測される。これが2つ目のきっかけ。
1つ目(分数の事例)から、細かく分解すればできるようになるってことを学び、2つ目(文字の置き換えの事例)から、途中まででパンクしてしまうことがあるってことを学んだ。
2つ目の、途中でパンクしてしまう要因は、思考の「持久力」不足にあるのかも。途中で息切れしてしまう。
で、それを防ぐには、一つ一つの式変形や論の展開を個別に理解し、身につけることが重要やと感じる。一つ一つの式の変形が苦もなくできるようになっていれば、最後まで息切れせずに進むことができる。
また、少しずつ持久力をつけるトレーニングのようなものも必要か。
理解し、定着させることで、その上にまた積み上げていくことが可能となる。
1行から次の1行へのつらなりを理解し、それらつらなり全体を理解することが論理的に理解するということ
- あるいは、理解するために必要な心構え的なものについて。