授業準備の3段階まとめ
授業準備の3段階(『理解をもたらすカリキュラム設計』メモより)
全体像
このメモで示される授業準備は、いわゆる「逆向き設計」の3段階で進める。
- 求められている結果を明確にする(第1段階)
- 承認できる証拠を決定する(第2段階)
- 学習経験と指導を計画する(第3段階)
重要なのは、第1段階(結果)と第3段階(活動)を混同しないこと。
第1段階:求められている結果を明確にする
要約
「単元が終わったとき、生徒に何を理解・転移できるようになっていてほしいか」を先に定める段階。
外せないポイント
- 網羅を目的にしない。
- 「事実を知る」ではなく「知識を柔軟に用いる(転移する)」をゴールに置く。
- ゴールは次の3要素で具体化する。
- 設定されているゴール(学習成果)
- 本質的な問い(追跡し続ける価値のある問い)
- 必要な知識・スキル
- 重大な観念(Big Ideas)を明示する。
- 初学者の誤解・つまずきを予測しておく(専門家の盲点を避ける)。
第2段階:承認できる証拠を決定する
要約
「その理解が身についたと言える証拠は何か」を先に決める段階。
外せないポイント
- 活動を考える前に、評価の証拠を定義する。
- 証拠は単発ではなく、複数の形で集める。
- テスト・小テスト
- 観察・対話
- パフォーマンス課題
- 理解の6側面で証拠を点検する。
- 説明
- 解釈
- 応用
- パースペクティブ
- 共感
- 自己認識
- ルーブリックは「ゴールから」導く。
- 「正誤だけ」でなく、理解の深まりの程度(素朴↔洗練)を見取る。
第3段階:学習経験と指導を計画する
要約
第1段階のゴールと第2段階の証拠に整合するように、授業活動・教材・指導法・時間配分を設計する段階。
外せないポイント
- 発問・活動・教材は、すべてゴールと評価に接続させる。
- 「教えること」中心ではなく「学習者が理解を構成すること」中心で設計する。
- 練習だけでなく、転移を要する問題・課題を組み込む。
- 講義、ファシリテーション、コーチングを目的に応じて使い分ける。
- 形成的評価を継続し、誤解を途中で看破して修正する。
- 教科書はツールであり、シラバスそのものではない。
実務で使う最終チェック(簡易)
- 第1段階:この単元の「理解命題」を1〜3文で言えるか。
- 第2段階:理解の証拠を、答案以外(対話・課題)でも取れるか。
- 第3段階:各活動が「どの証拠を取るためか」を説明できるか。
- 全体:網羅ではなく、転移と理解の深まりに向かっているか。