📚「差別」のしくみ
20250301
- 第1章 差別とは何か
- ①偏見:人間の類型に対する誤った事実認識
- 偏見に当たらなくても、差別である場合はある。
- ②類型情報無断利用:当人が望まないであろう形で、性別や人種に基づく判断をすること。
- 相手の同意なしでは、プライバシー侵害となる。
- 差別に当たる。
- 侵害しておらずとも、差別であることもある。
- 相手の同意なしでは、プライバシー侵害となる。
- ③主体性否定判断:相手の意思を抑圧したり、相手を自律的な個人として尊重しないこと。
- 不利益処遇への同意は、抑圧なしにはあり得ない。
- では、①②③がなければ「差別」の問題はなくなるのか、というと、そうではない。
- 人は、これら事実の認識とは異次元の、価値観・感情をもち、それに基づき行動する。
- 類型的に向けられる否定的な価値観・感情・行為こそが、差別の本体。
- 本書ではこれを「(狭義の)差別」と定義。
- 価値観感情といった内面を「差別的価値観」、それに起因する行為を「差別行為」と呼ぶことに。
- ①〜③を改めない価値観・感情とそこからの行為が、差別。
- 価値観や感情は、他の人と共有したくなる。そして差別が広がり、社会実装され、差別利得を生み、被差別者が増加する。
- ①〜③は差別に起因することが多い。が、これらと差別は概念的に区別しておくべき。
- ①偏見:人間の類型に対する誤った事実認識
- 第2章 差別を捉える四つの規範
- 一つの規範で差別を解消することはできない。
- ①〜③がすでに提示済み。
- 過剰に強い規範を立てることになりかねない。
- あらゆる区別を禁じれば、差別以外の必要な区別まで禁止されることになる。
- 差別の解消には、四つの規範が必要。
- ①偏見の禁止
- ②類型情報無断利用の禁止
- ③主体性否定判断の禁止
- ④狭義の差別の禁止
- ①:誤った事実認識は、不合理や不正を導くため、正当化できない。
- ②:個人情報の目的外利用なので、許されない。
- 二点注意。
- 目に見えやすい類型情報を無視するには、一定の訓練がいる点。
- 犯罪捜査には使われたりするように、絶対的に保障された権利ではない点。
- 二点注意。
- ③:当人の主体的な判断の毀損に当たる。
- 射程を正確に理解することが重要。
- この射程は、当人が自律的に決定すべきことについて、その決定を無視して他者が予測・判断すること。
- 主体的・自律的に決定すべき対象ではないことを予測・判断するためであれば、当人の個性に着目したとしてもこの規範には抵触しない。
- ④:重要なのは、価値観と感情の問題である点。
- 自分なりの価値観を持つことは、思想・良心の自由として憲法で保障されている。なので、個人は差別的価値観・感情を全く持ってはならない、というのは、重大な自由の侵害。
- この規範は、差別的価値観・感情が、公共空間に持ち込まれる場面で働く。
- 一つの規範で差別を解消することはできない。
- 第3章 差別をする人はどんな行動をするのか?
- 事実の無視
- 仮に不注意で間違うことはあるが、その場合、間違いはランダム。が、差別による誤りは偏りが生じ、本人の意図する一方向への誤りに終始する。
- 制度の濫用
- 訴訟を道具として悪用する。訴訟するだけで、された側にとっては負担に。
- 差別利益と陳腐な言い訳
- 精神的・経済的に利益を得ている。
- 「両論併記」
- 自分の主張が、討論に値すると思われるだけで目的達成。なので、同じ土俵に立つこと自体が目標。
- 事実の無視
- 第4章 差別と憲法の歴史①ーアメリカの奴隷解放
- 差別解消のためには、まずは対象を人間と認識すること。
- 差別解消に向けて法が制定されていったが、明文に示されない権利や利益には射程が及ばず、たびたび修正案により権利の保障を行わなければいけなかった。
- 第5章 差別と憲法の歴史②ー分離すれど平等
- 平等保護条項の射程は、時代が下るにつれ射程を広げていき、一般平等条項に変化した。
- 「法の平等な保護」から「法の下に平等」へ。
- 一般平等条項は、合理的根拠のない区別を禁止する。つまり、区別に対し合理的根拠を求める機能を果たす。
- 法律による区別は、「Aにはaという効果を与え、Bにはaというaという効果を与えない」といったもの。
- 特定の要件を満たすかどうかの説明が求められる。
- ただ、合理的根拠のない区別には限界がある。
- 差別立法は、よほどのものでないかぎり、合理的な根拠を述べることができてしまう。
- 白人と有色人種を電車で車両によって分けるのに対し、「人民の習慣や伝統の尊重と、鉄道内の快適さや公衆安全に資するから正当である」という説明のように。
- 片側的説明だけで、説明したフリができてしまう。
- Aにはaの効果を与える妥当性を述べただけで、Bにはaを与えない妥当性を述べることなく合理的根拠を説明した雰囲気を作ってしまう。
- 差別立法は、よほどのものでないかぎり、合理的な根拠を述べることができてしまう。
- 平等保護条項の射程は、時代が下るにつれ射程を広げていき、一般平等条項に変化した。
- 第6章 差別と憲法の歴史③ー差別的意図の禁止
- 高等教育における人種分離が違憲とされ、人種分離が平等保護条項違反だと評価されるように。
- 分離自体が有色人種への劣等感を発生させる差別的制度であると認定。
- 分離すれど平等が克服された。
- 分離自体が有色人種への劣等感を発生させる差別的制度であると認定。
- 差別的平等措置や間接差別というふうに、差別が洗練される。
- 人種の分離解消を命じられた施設が、施設丸ごと閉鎖。
- 差別意図はあるものの、平等保護条項違反とはならなかった。
- 差別的意図を持って、差別の指標とは別の指標での区別。
- 間接差別。
- 人種の分離解消を命じられた施設が、施設丸ごと閉鎖。
- 差別的意図に基づく立法をしてはならない、という規範の確立が必要に。
- ただ、差別的意図の認定は難しい。
- 分離自体がいけない、と少し行き過ぎた分離否定が起こり、アファーマティブ・アクションすら違憲とされることも。
- アファーマティブ・アクション:差別を受けてきた人種や性別の人々を優遇する措置。差別を受けてきた人が社会的に高い地位につく事例を増やすことは、差別の減少に効果が期待できる。
- 本来であれば、区別が行われる背景に差別感情がないのであれば厳格審査基準、つまり分離自体ダメ、に当てはめなくてもいいはず。
- 高等教育における人種分離が違憲とされ、人種分離が平等保護条項違反だと評価されるように。
- 第7章 差別と憲法の歴史④ー日本法の場合
- 大日本帝国憲法には、一般的な平等条項がなかった。敗戦を機に大きく変わる。
- 法のもとに平等が、新憲法に盛り込まれた。
- 憲法14条1項
- 「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」
- 前段で国民の法の下の平等を、後段で差別禁止を定める。
- 平等・非差別の内容の候補
- ①国民と国民を区別すること一般の禁止(絶対平等)
- ②区別自体は問題でなく、区別による重要な権利・利益侵害の禁止(平等空虚論)
- ③合理的な理由なく区別することの禁止(不合理な区別の禁止)
- ④差別感情に基づく措置の禁止(差別禁止)
- 14条発足当初は、後段の人種や信条などによる区別に当たるかどうかで平等かどうかを判断していたが、そこに当てはまらない区別も多く存在するため、すぐに行き詰まる。で、③の不合理な区別の禁止、つまり、区別が合理的かどうかに気を払うように。
- 区別の目的の合理性と、区別の手段としての合理性との二段階で検討されるように。
- しかし、これでは、④差別禁止を無視あるいは軽視する傾向を導くことに。
- 大日本帝国憲法には、一般的な平等条項がなかった。敗戦を機に大きく変わる。
- 第8章 差別と憲法の歴史⑤ー社会的差別による差別立法の正当化
- 差別感情を立法に反映させて良いはずがない。が、日本の最近の裁判例は、差別を反映させた立法を、差別を理由に正当化している。
- 合理的かどうかの判断が、差別的感覚があろうとなかろうと国民が受け入れられる区別かどうかを持って判断することに。
- 差別が最も深刻なのは、差別が社会に「定着」した場合。定着していると、改善を求める権利を認めなければ差別は解消しない。
- がしかし、判決では、社会的に歴史的・伝統的に差別が定着していることを理由に、差別を正当化している。これでは、最も深刻な差別が放置されてしまう。
- 国民の多くが差別的価値観を持っているから、法制度としてそれに迎合する区別をしても正当だ、という趣旨の判決は、苛烈な差別を温存し、助長すらする。
- 差別感情を立法に反映させて良いはずがない。が、日本の最近の裁判例は、差別を反映させた立法を、差別を理由に正当化している。
- 第9章 なぜ差別者は「差別の意図はない」と言うのか?
- マイクロアグレッション
- 意図の有無に関わらず、特定の人や集団を標的とし、人種等々を軽視したり侮辱したりするような、敵意ある否定的な表現
- マイクロアグレッションは、差別でしかない。が、なぜそうなづけて特別視するのか。
- 意図がないものをマイクロアグレッションと呼ぶ。
- 意図があるのが一般的で、ないのが特別という見方は正しいのか。
- 意図がないものをマイクロアグレッションと呼ぶ。
- 差別行為の3類型
- ①偏見型:人間の類型に対する誤った事実認識を前提にした行為
- ②感情型:差別感情を満足させるための行為
- ③評価型:差別的な評価を前提にした行為
- 上記の3類型すべて、基本的に差別している当人は差別でないと考える。
- 逆に、意図を持ちつつ差別行為をするのは以下の時が挙げられる。
- ④組織型:組織の上司に偏見がある
- ⑤迎合型:事業の顧客に差別者がいてそれに迎合したりする
- ①〜③の派生系。
- 自分の行為が差別ではないと弁明するには、次の手続きが必要で、それなりのコストがかかるが、差別されない権利を大切に思うのであれば払うであろうコスト。
- 自分がどのような事実認識に基づいて行動したかを明らかにすること。
- その事実認識が真実だと、根拠を添えて説明すること。
- 行為の前提をなす価値観は、個人を個人として尊重するもので、その属する類型に対する差別的評価とは異なることを説明すること。
- 差別をする人は、主観的には差別をする意図はない。が、意図がないにしろ、紛れもない差別。偏見や差別的感情・評価に基づく行為なのであるから。
- 客観的に見れば、そこに差別の意図があると評価せざるを得ない。
- マイクロアグレッションという特別視は、必要ない。それ自身が紛れもない差別であるから。
- マイクロアグレッション
- 第10章 憲法24条と家制度(その2)ー憲法24条の成立
- 家制度は、家族法において家を基本単位とする制度。
- これより前は、夫婦は別氏を名乗ることとされていた。嫁入りしても本質的にはよそ者。通称として同姓を名乗ることもあった。
- 明治民法では、同じ家の氏を名乗ることとなった。同姓ではなく、家に嫁ぎその家の氏を名乗る、ということ。
- 戸主が権限を持ち、戸主の許可なしに妻は働けない、子は結婚できない、などであった。
- 男女の不平等があった。
- 戦争後、GHQにより大きく変動することに。
- 家制度は、家族法において家を基本単位とする制度。
- 第11章 憲法24条と家制度(その2)ー憲法24条の成立
- 憲法24条により、夫婦が同等の権利を有することを基本として、互いの協力により維持されることが定められた。
- 憲法24条の制定により、民法、すなわち日本の家族法も大幅に改定されることに。
- 第12章 憲法24条と家制度(その3)ー新民法による差別解消
- 家制度に固執する有識者は多かったものの、家制度の廃止が必ずなされることが改定の前提としてあったので、なんとか改定することができた。
- この時代の憲法24条による新民法は、先進的であった。
- 第13章 憲法24条と家制度(その4)ー新民法と家事審判
- 男女平等の法整備が進んだものの、一般論としては夫婦の間には大きな格差があるので、家庭裁判所は中立的裁定者にとどまらず、実質的平等の実現に踏み込まなくてはならない。
- 第14章 夫婦同氏問題と合理的配慮
- 夫婦が同じ氏であることを要求する今の民法は、合理的配慮の否定による別姓希望カップルへの差別となっているところが問題の核心にあるのではないか。
- 合理的配慮の否定は、差別の一形態とされる。
- 合理的配慮の定義のポイント
- 特権を求めるものではなく、他の者との平等を基礎に、誰もが持っている権利や機会を得るために火つゆな配慮を求めるもの。
- 均衡を失した、又は過度の負担を課さない範囲の配慮。
- 合理的配慮は、消極的な差別を洗い出すために極めて重要な概念。
- 配慮の申し出があった時に、合理的な理由なくそれを拒否することも差別であるとされるため。
- 夫婦同氏制は、合理的配慮の否定にあたるのではないか。
- 夫婦別姓を選択できないために、氏を変更して婚姻するか、氏を変更しないために婚姻しないかの選択をすることになるが、そのどちらを選択しても不利益は大きい。
- 民法で定められているとはいえ、氏は法的効果とは無関係になっており、その民法の条文を改正することに過度の負担は生じない。
- 以上から、合理的配慮の否定にあたる、と考えられる。
- 夫婦が同じ氏であることを要求する今の民法は、合理的配慮の否定による別姓希望カップルへの差別となっているところが問題の核心にあるのではないか。
- 第15章 憲法24条1項の同性婚禁止解釈と差別ー制定趣旨・文言・理論から考える
- 24条1項を、同性婚を禁じる条文と解釈されたりするが、確認したように24条1項は家制度下における差別をなくすのが目的であって、同性婚を禁じるのが目的ではない。
- 文言からも禁止したものとは読み取れない。
- 制定趣旨・文言・理論の全てにおいて同性婚を禁止する根拠が薄弱であるのにも関わらず、同性婚を禁じてよいという結論を導く態度は、差別であろう。
- 異性婚と同性婚の不平等を当然視し、同性間であることのみをもってその関係の価値を低く見積もっているため。
- 異性婚と同性婚を合理的な説明なしに区別している態度。
- 第16章 合理的根拠のない区別ータックスマン&テンブルーク論文
- 差別の定義は、過剰になっても過小になってもいけない。
- タッスマン&テンブルーク論文では、平等保護条項が3つの役割を果たしているとした。
- ①不合理な区別の解消
- ②差別的意図に基づく立法の禁止
- ③実態的な権利の保障
- 20世紀半ばでは、①を重視。
- 本来対象とするグループと、実際に対象となっているグループが一致しないような区別が、不合理な区別。
- 最大の原因は、類型に対する誤った事実認識、つまり偏見にある。
- 偏見に基づいた目的適合性のない区別を許すと、差別の現象が温存されてしまう。
- 第17章 集団不遇禁止原理ーオーウェン・フィス論文
- 非区別原理は、人しか扱うべき者を区別するのを禁じる原理。
- 等しき者は等しく扱わねばならない、という原理。
- 平等原則とも呼ばれる。
- 平等原則は、アファーマティブ・アクションを違憲にしてしまい、差別解消に万能なわけではない。
- 非区別原理は、人しか扱うべき者を区別するのを禁じる原理。
- 第18章 差別と区別の分類論ーアレクサンダー論文
- 「区別」を細かく分類することを目的とした論文。
- 特定の類型の人々を他の人々よりも価値が高い・低いという「価値づけ」に差別の悪性を求めた点がポイント。価値づけは、基本的に悪性で、そのほかの区別は取り扱いによっては悪性になる、という風に定めた。
- 役割の理想による区別も、本質的に悪性。
- 他の区別は、汚染されているか否かの判断が必要。悪しき価値づけを前提にしていたり、強化したりする場合に悪質と評価する。
- アレクサンダー論文は、価値づけの有無という線引きを定義し、差別と偏見の違いを明確にし、差別が事実認識ではなく価値観の問題だという理論への展開を生んだ。
- 第19章 象徴的/現代的差別と緊密侵害
- 法制度による差別はなくなったとしても、社会から差別が消滅するはずもない。
- 象徴的/現代的レイシズム
- これまでの差別があった背景を鑑みると地位や富の配分を平等化するためアファーマティブ・アクションなどのような是正策をとることが必要と考えられる。が、それを逆差別である・不公平である、と現在の配分が長く続いた差別の帰結であることを否認し、差別は過去のものという態度をとること。
- 緊密侵害
- あからさまなレイシズムは姿を消していった中、国家での法制度という多くの人に関わる領域ではなく、個人間の緊密な領域での差別にチイモクする必要が出てきた。
- 緊密侵害は、ミクロな領域での差別。
- 緊密な関係で重要なのが、コミュニケーション。
- あからさまなレイシズムは姿を消していった中、国家での法制度という多くの人に関わる領域ではなく、個人間の緊密な領域での差別にチイモクする必要が出てきた。
- 第20章 価値づけ説と加害説
- 法を適用すべき/すべきでないのラインにある事例を、限界事例という。限界事例を考える際、典型要素の中核的要素が分析され、どの要素が法を適用し得るのか、を明らかにして限界事例に適用する。
- 差別の概念分析も、同じようなところが。
- 差別の悪性:対象を貶価するところにある。
- 権力や地位を持つものが、「他者を不完全な人間」「平等な道徳的価値を持たない者」とする表現行為を含む取り扱い。
- 不合理な区別であっても、差別の悪性がない、つまり悪しき差別でない場合は存在。
- 不合理な区別と悪しき差別は、別の概念。
- 価値づけ説を否定し、加害説が唱えられた。
- 差別がなければ得られたはずの状況よりも悪い状況に追い込むことを悪しき差別とする説。
- 価値づけ説も加害説も、差別を考える時に忘れてはいけない視点。
- 法を適用すべき/すべきでないのラインにある事例を、限界事例という。限界事例を考える際、典型要素の中核的要素が分析され、どの要素が法を適用し得るのか、を明らかにして限界事例に適用する。
- 第21章 平等権と差別されない権利の違い
- 憲法第14条1項は、平等権を保障するものという解釈に加え、「差別されない権利」も保証されていると解釈すべき。
- 【日本国憲法14条1項】
- すべて国民は、法の下に平等であって、人種、心情、性別、社会的身分または門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
- 非嫡出子の法定相続問題について、こんな判例が。
- 平成7年においては、非嫡出子の相続は嫡出子の半分と民法で定められているのは違憲であるという裁判が、違憲ではないという審判に。平成25年では、同じ例において違憲であるとの判決が下った。
- 差別を助長する効果がその民法にはあり、それは看過できない弊害を生んでいる、と解釈されたため。
- 法の下に平等、という部分ではなく、「差別されない」の文言を重視された、と言える。
- 第22章 秘密の差別の害悪
- 国内のムスリムの個人データが収集されており、それが流出し、監視されていることが明るみになった。データベースに掲載されたムスリムは訴訟を起こし、①流出の違法性②ムスリムの網羅的情報収集活動自体の違法性が争点に。
- ①は認められたが、②は認められなかった。
- ムスリム教徒の尊厳を否定しており、権利侵害にあたるのでは、という点の検討が必要。日本では訴訟は棄却され、アメリカでは控訴審において第1審からやり直すべきと差し戻しに。
- 流出しないとしても、警察内部においてはムスリムを差別的価値観に基づいて区別していることになるのは、権利侵害と判断したアメリカの方が妥当ではないか。
- ある集団における差別的価値観を醸成するような行為は、差別されない権利の侵害である、ということも考えるべき。
- 国内のムスリムの個人データが収集されており、それが流出し、監視されていることが明るみになった。データベースに掲載されたムスリムは訴訟を起こし、①流出の違法性②ムスリムの網羅的情報収集活動自体の違法性が争点に。
- 第23章 分けるには理由がいるー日本式分離すれど平等
- 憲法24条1項が同性婚を禁止している、という見方はされていない。争点は、同性婚を異性婚と別制度にして良いか、という点。
- 別制度を設けるとするのならば、理由もないのに別制度を取ることとなると考えられ、分離すれど平等の一種で差別感情を満足させるための区別。
- 第24章 理由の説明からの逃避ーなぜ平等の議論をしないのか
- 区別の事実に目を向け、その理由を考えることは、差別解消の最初の一歩。であるのにも関わらず、夫婦別姓の訴訟などでは、区別の理由の説明を避けていたりする。区別の理由を真正面から説明する実践の積み重ねが求められる。