📚人を賢くする道具

  • 第4章 アーティファクトを人間に適合させる
    • p141.一般に、アーティファクトがわれわれの認知の能力を変えることはない。それらが変えるのは、タスクなのである。

      • 著者は「タスク」という言葉をどのような意味で用いてるのか?
        • 「数字どうしを比較する」というタスクを「棒の長をを比較する」というタスクに変えたり、覚えておくというタスクが書き留められた情報を読むというタスクに変わったり。
          • 「比較する」というタスクと、「過去の経験を思い出す」というタスクかな。
        • 「主体がおこなうこと」という感じのニュアンスかな。
      • アーティファクトがタスクを変えて、との結果人間が単独で何かをやるときよりもうまくできるようになれば、システム・ビューの観点から向上しているといえる、ということ?
        • 「心的なアーティファクトを学ぶには何年もかかる」とあるように、システム・ビューの観点で向上をはかるのは、自分のものにすることが求められるのかな?
    • p174.ある関係を表示する「正しい」方法というものがあるわけではない。しかし、はっきり間違った方法はたくさんあるのだ。覚えておいて欲しいが、表現というのは、分類・整理と検索の両方に関係しているので、どうするのが適切かは、タスクに依存するのだ。

    • p183.デザインとは、物語のようなものでなければならない。デザインチームは、そのアーティファクトが狙っているタスクとそれを使う人間とについて、じっくり考えることから始めなければならない。これを達成するために、デザインチームには、人間の認知、社会的インタラクション、タスク、用いるテクノロジー、それぞれの専門的知識をもたせないといけない。適切にデザインすることは大変な仕事である。しかし、それがなければ、われわれの道具はフラストレーションを与え、明快さをもたらというよりはむしろ混乱を引き起こし、タスクに同化するというよりはむしろ邪魔をし続けることになる。

    • p187.アフォーダンスはテクノロジーにも適用される。テクノロジーが異なれば、別の操作がアフォードされる。

    • 人を賢くする道具 D.A.ノーマン

  • 第5章 人間の心
    • 人間と機械・動物の違いから、人間の能力を明らかに

    • p205.機械ーそして科学的な推論は、一般的に論理的かつ無矛盾なものである。

      • やから人工的に生み出された言語は、機械にとって理想的。演算によって論理的に処理できるから。
      • ただ、それで物事をうまく認識できるというと、そうではない。
    • 科学が光を当てるのは、

      • p203.観測や測定が可能なもの、注意深くコントロールすれば実験室で再現が可能なものに限られている。

    • 人間の認知は、それとは比べ物にならないくらいに複雑。で、人間には演算能力はもともと備わっておらず、アーティファクトを用いたり相当な訓練を積んでも間違ったりする。その点においては、機械には勝てない、と言える。けど、機械が処理できないようなより複雑なものを習得することができる。

      • p206.人間の言語は、数学的な基準から言えば桁外れに複雑である。その多くの側面が科学的な記述を寄せ付けていない。それにもかかわらず、一般の人間は、母国語であれば、学校で学ばなくても、つまり正式な訓練を受けなくても、苦もなく習得することができる。

    • 人間と機械は異なる動作をしているのは簡単に理解できる。同じような原理で動いていないから。では、人間と動物ではどう異なっているのか。

    • p207.われわれの脳には類人猿にはない能力が備わっているのである。最も重要な相違点、それは人間に内省という思考能力があるという点である。

    • 言語や美術やユーモアやジョークなどなどがわかるのは、因果的説明を構成する能力が必要。

      • p208.こうした能力にはすべて、洗練された心、すなわち知識やメタ知識を表し、表象を形成し、表象と表象を比較し、そして世界で起きたことの因果的説明を構成する能力をもつ心というものが必要になる。われわれは欲求や動機、願望そして自己と他者の能力に対する表象を形成するのである。心のパワーとは、その表象形成能力にあり、そこには他者の視点に立つという能力も含まれている。

    • 一見、集団で行動し、それぞれがそれぞれの役割を担っていると、お互いを認識して行動しているかのように見えるが、実際は違う。

      • p216.アリは驚くほど多くの仕事を協力によって行うが、それは神経系の一部に配線済みの形で組み込まれているからで、協同作業に対する欲求が意識されたからではない。アリは、知覚した状況に対して単に反応しているに過ぎない。

    • 人間は前述の通り、自己と他者の能力に対する表象を形成し、他者の視点に立つことができる。

      • p217.単純な配線済みの行動が、洗練された行動を生むことを説明しているように思われる。問題は、こうした組み込み型の協調行動が固定で変化しない点である。その行動は、協調の必要な状況が消滅しても変化しない。この柔軟性の欠如こそが、進化によって形成された生物学的協調行動(配線済みのもの)と、意図によって作られる認知的協調行動とを区別するのである。

    • 相手の意図を汲み取れることは、コミュニケーションにとって不可欠。

    • 教育について考えると、教えたことの模倣は霊長類でもできる。が、教えたことを間違えた時、正しく導こうとすると、相手が何を間違っているかを理解しなければいけない

    • p220.われわれは、詩、音楽、芸術、科学、数学、論理というものを発明してきた。これらすべては、人口の装置、アーティファクトを使うことで増強される。われわれ人間は、思考を支援する仕掛けを心の外に作り出すことで脳のパワーの限界を克服しようとしてきた。心のもつ表現能力を、心の外にある構造と表現を使って、つまり認知のアーティファクトを使って、拡張しているのである。

      • 詩、音楽、芸術も、人口の装置で増強される?音楽や芸術は確かに道具を使う。詩は?書くことにより?
      • 進化の説明のところでは、第4段階が外部の装置を、つまり「認知のアーティファクト」を使う段階としているけど、ここまでの話は演技や神話が動物よりも優れたコミュニケーションを可能にしていることにしか触れられていないような。認知のアーティファクトを使って拡張している話はされていない。
      • この後にも、認知の特性が話されて、それを補うアーティファクトの要件については語られる。が、認知のアーティファクトによる拡張の話ってどこのことなのかな?
      • これよりも前の章とか?第3章とかにも書かれていたか。
    • ここからは人間の認知について、物語好きなことや間違いかたなんかについて書かれるけど、一つ疑問に思ったのは、この部分。

      • p221.体験モードというのが、われわれの好むやり方

      • この章では、「われわれの脳には類人猿にはない能力が備わっているのである。最も重要な相違点、それは人間に内省という思考能力があるという点である。」と語られてた。けど、人間は体験モードを好んでる。

      • 動物の「進化によって形成された生物学的協調行動(配線済みのもの)」と、人間の体験モードとの違いはなんなのか?

        • おそらくは、この章に書かれている人間の認知特性は、基本的には動物にはないものと考えられるのかな。「与えられた情報以上のことがわかる」という、識別する力が。
      • ここまでに語られてた内容は、内省の話なのか体験の話なのか。

      • 書かれている一つ一つ、部分部分については納得感がありつつも、全体としてちゃんとわかっている感覚になれないのは、こういうところにあるのかもしれないね。

    • 一方で、「人間の認知」以降については、自分の中ですんなり整理できた。

    • p222.われわれは意思決定や問題解決に際し、ほとんどの場合、現在の状況を以前のなんらかの体験と比べるアナロジーというものを用いる。…記憶ないで利用可能なものとは、二つの特性ー最近の出来事、もしくは個別性が強く感情を喚起させる出来事ーのどちらかを備えている。

      • 最近の記憶とか、強く感情を喚起させる出来事が思い出されがち。
    • p234.証拠がすべて揃う前でも素早く判断でき、関係のない情報から関係あるものだけを素早く取捨選択できるというのが、人間の知性の強みの一つである。われわれが機械より優れ、熟達者が初心者より優れているのは、この能力のおかげと言える。問題なのは、事態の解釈を誤ったせいでこの素晴らしい特質が脇道に逸れた場合に、その方向の修正が極めて困難になってしまうことなのである。

      • 素早く判断できるが、それが間違っている時の修正は難しく、間違っていることを認識するのも簡単ではない。
    • 以上の認知の特性から、どういったものが人間の認知を補いうるかが、以下。

      • p239.われわれに必要なのは、過去の統計や事例が対話的に使える豊富なデータベースをもち、それを意思決定の際に自動的に利用させてくれる機械である。

        • 最近の記憶とか、強く感情を喚起させられる出来事に限らないデータベース。
      • p240.人間は間違う。特に不向きなことを強いられると間違う。テクノロジーをデザインする際のコツとは、エラーを最小に、エラーの影響を最小に、そしてエラーが起きてもそれを発見する機会を最大にする状況を用意することだ。これが、人間中心の作法というものなのである。

        • 素早い判断のエラーを最小にしてくれて、しかもエラーが起きたら分かるようなデザイン。
  • 第7章 ものには、それが収まるべき場所がある
    • 情報の伝達が速くなり、記録を残す術も発達してくることで、それらをどう保管するか?が問題に。
      • カテゴリー化してしまっとく?カテゴリー数は膨れる。で、それを全て覚えておくことはできない。
        • 1階層しか扱えない巣箱机やパイルキャビネットならなおのこと。ユーザーの頭の中に蓄えなければいけない知識が多すぎる分類整理は役に立たない。
          • どう分類整理したかを他の人と共有することも難しい。
          • 取り出したい情報にアクセスしやすいという利点はある。
        • ファイル・キャビネットなら多階層化できる。
          • 巣箱机と違い、分類項目に制限ない。で、分類をさらに分類できる。
            • 多階層化。
          • 情報が多すぎたら、やはり機能しなくなってしまう。
          • 何階層も辿らないといけないので、情報の引き出しやすさは1階層のものにまける。
    • 分類整理方法として、辞書的なのは使いにくい。というか、単一的な並べ方しかできないものは、使いやすくはならない。
    • マガキンズの商品は辞書に載ってる語彙数より多いが、客は目当ての品物を探すことができる。店員の手助けによって。
      • 商品は、目的によって階層的に整理されている。
      • 店員には担当分野が決められており、その分野の商品ならわかるが他についてはざっくりとしか知らない。
      • お客が来たとき、店員はざっくりした知識からお客の求めるものがだいたいどの方向にあるか指し示せば、次の店員が引き継ぎ、やがて専門の店員にたどり着く。
    • データで保管された情報であれば、探すニーズに合わせて並び替えるなりして表示すれば探しやすい。
      • 効用や便利さ、使い勝手において、潜在的な可能性は高い。あとは、使う人のニーズを考慮して適切に作り上げれるかどうか。
        • choiyakiなかなか難しいところ。ただ、そこまで効率的でないが求める情報は引き出せる、というのはできてるか。マガキンズと並ぶくらいには。
    • 空間的な分類整理はうまくいくときはうまくいくが、うまくいく条件は限定的。
    • われわれの記憶のように、ある言葉を心の中で記述するだけでビューン!と探し出せる。
      • ビューン!と行った先になければ、ほしかった情報が得られなければもう一度試せばいい。間違ったなら、修正すればいい。
      • これが、記述による検索。順序を整える必要はなく、分類整理が必要もなく、いろんな記述によりいろんなルートでたどり着ける検索。厳密さはない。
    • こんなふうに、道具は、厳密ではなく、論理的でもなく、正確でもない人間の能力に適合しなければならない。
    • 電子図書館のアフォーダンスは、それ抜きでは絶対できないと思う仕事をやる気にさせてくれる。
      • このアフォーダンスは、情報データベースへの新しい電子的なアクセスによって提供される。
      • 最も強力な可能性と、恐るべき危険性を秘めている。
      • 電子データベースの威力・脅威は、莫大な時間をかけなければ集められなかった情報を探し出してまとめてくれるアフォーダンスがある。
      • が、プライバシーは犠牲になる。データベースに個々人のデータが追加されていき、それが引き出せることにより。
      • 社会は、メリットを追求するためにプライバシーの犠牲というコストを受け入れるのだろうか。
      • もはや、我々の社会はそれ無しでは機能しない所まで来ている。まだ手があるとしたら、社会を変えること。
        • choiyakiもはや、社会は変わらんくらいのところまで来ている、と言えそうやけど、このあとの章はどうここからつながっていくのか気になる。
  • 第8章 未来を予言する
    • 未来は、起きる前は限りなく存在し、起こった後は明白に論理的に生じているように見える。
      • 未来のシナリオについて考え抜くことは必要不可欠。向こう見ずだけど欠かすことができず、かつ楽しい。
    • 過去を振り返ると、予測の成績はひどい。
      • 個人用ヘリコプター、原子力発電、コンピュータ、電話。
        • 新たなテクノロジーが社会に対するインパクトはどうなるかの予測は難しい。
      • テレビ、航空機、ファクシミリ。
        • テクノロジーが成功すると仮定して、それが大きなインパクトを与えるようになるのにどのくらいかかるかの予測は難しい。
    • 未来の予言(ほぼ今となっては現実になってる)から、いくつかの問題が考えられる。
      • テクノロジーに関する予測は、目に見える利点だけでなく深刻な不利益をもたらす可能性も提起する。
        • プライバシー
          • 難しいのは、適切なプライバシーか?がわかっていない点。
        • テクノロジーへのアクセスの社会的なアンバランス
          • 経済的な格差がそのまま情報へのアクセス差の格差に。で、さらにそれが経済的格差になり。。。
        • ソシオパス
          • いたづら電話などなどに喜びを見いだす人たちとどのようき折り合いをつければ良いか。
        • 人間同士のインタラクション
          • インタラクションに影響を与えるはずだが、どういう形でか?はわからない。
    • バーチャルリアリティなどのシミュレーションによる体験は、体験的なプロセスと内省的なプロセスの双方をサポートするので、認知のための威力ある道具になりうる。
    • 共同作業を助けるツールは、グループの構造や利害の調整が必要。なので、個人を助ける場合よりもずっと複雑なタスクになる。
      • 様々なものに依存することになる。組織の哲学や、グループを構成する人の経験、国民性などに。なので、一つのテクノロジーだけで答えを与えることはできない。
      • 新しいテクノロジーが距離を超えた新しいコミュニケーションツールになるか、監視ツールになるかは、そのテクノロジーのアフォーダンスによって決まる。