📚宇宙の広さを知ったサル

20260818

1 異星人の挑戦

  • 遺伝子機会という概念が、心理を進化的難点から考えるアプローチの基盤。
  • 我々ヒトの真のカラクリは、文化。
    • 文化を持つことができる力。

    • 文化は、反自律的に進化する、概念によって構成されるシステム

    • 文化進化は、社会的相互作用を通じて伝達するものすべてに対し、自然選択が働いて結果。

      • 伝達したいと思うミームが残り、思わないミームは滅びる。
  • 人間は、遺伝子とミームのハイブリッド。

2 ダーウィン、心に挑む

  • 人間は、自然界きっての変わり者。
    • 様々な「なぜ?」があり、それを説明するには多岐にわたる領域からさまざまなツールが必要。
    • まずは「人間の心」について。
  • 自然選択はダーウィン道具箱の中でもっとも重要。
    • 重要なのは、そこにはなんらかの意図は存在しない、ということ。自然による設計は偶然がたまたま膨大な時間をかけて蓄積されて作られる。
  • 自然選択の設計によって私たちはなにをするように形作られているのか。
    • 進化の要は、種の存続ではない。
      • 種全体を滅ぼしかねない形質が選択されることがある。
    • 適者生存でもない。
      • 生存は重要だが、生存したらいいというものではない。繁殖できないと生存するための形質は意味をなくす。
        • クジャクの尾羽は生存に不利で繁殖に有利。
          • 性選択。
      • 生存有利と繁殖有利の釣り合い。
    • では要は、適者の生存ではなく、適者の繁殖である?
      • 子を残し、さらにその子が子を残す必要がある。
    • 孫こそ要?
      • 自然界の適応の大部分を説明できるが、全てではない。
        • アリやハチなど「真社会性」の生き物について説明し得ない。
      • 「血縁選択」がカギに。自分と同じ血縁の者を生かして繁殖してもらうことで、自分の遺伝子を残す。
      • 「包括適応度」を最大化する。自分もしくは血縁者の繁殖成功の貢献度合いを高める。が、これよりも適した説明がある。
      • ここまで来ると、個体ではなく遺伝子が要の主役に。
    • ドーキンス登場。
      • 自然選択は「自己複製子」に作用する。で、時間をかけて自分の複製作りの腕を上げていく。
      • ただ、生物が自己を複製するわけではない。
        • よって生物自体が自然選択の対象になり得ない。
      • 「遺伝子」が自己複製子。
      • 遺伝子は利己的に振る舞う、つまり自分の遺伝子を遺伝子プール内で増やすべく振る舞う。が、生物個体は利己的ではない。
        • 利己的な遺伝子は利他的な個体を生み出し得る。
    • 遺伝子中心的な見方は、包括適応度の理論を包括する。
    • 適応を形作る遺伝子は、あくまでもその適応かたちづくるいでんしのみをひろめようと形作る遺伝子のみを広めようとしている。それが、個体のゲノム中の全遺伝子にも利益をもたらす。
      • トゲや殻は、トゲや殻を作る遺伝子を広めさせるように、乳首は乳首を形作る遺伝子を広めさせるように。
    • 遺伝子目線では、自らを複製するのは遺伝子で、そのために生物個体を利用していることに。
      • choiyakiまさにビークルやね。
      • 進化の要は、遺伝子は自分の遺伝子の複製をうまく作れるようになること。で、その副産物として、生物個体は遺伝子の複製をうまく作れるようになる。
    • 進化の要は、もっとも適応度の高い遺伝子の生存。
    • 集団選択はあり得るのか?
      • 集団内では利己的な行動が得をするかもしれないが、集団間で考えると、利己的な集団よりも利他的な集団の方が有利、という考え方。
      • 現実に起こるのか?検証はまた5章にて。
    • 生物を遺伝子機械として見るアプローチは有用。そして体だけでなく、心にも当てはめることができる。
  • 機能分析ー適応の目的を分析することーは、心理的な形質にも有効。
    • 恐怖心や痛みや性欲や愛情、などにも。
      • 嫌悪感は体の分泌物・腐敗したもの・一部の動物に覚えるが、これらは疫学的リストと一致する。
      • 恐怖心は死につながることを避ける。
      • 闘争・逃走反応も。
  • 「至近的説明」と「究極的説明」の区別も重要。
    • 至近的説明:行動の直接の原因に焦点を当てたもの。
      • 「人がセックスをするのは、それを楽しむからだ」
    • 究極的説明:行動の裏にある進化上の説明に注目。淘汰されずに選択されるにあたってうんできた効果に。
      • 「人がセックスをするのは、その結果として子が作られるからだ」
    • 人は遺伝子を広めるという全体的な欲求ではなく、具体的で多種多様な欲求がある。これらの欲求に突き動かされることで、自発的に戦略を立てることなく遺伝子を広める結果に繋がりやすい行動を取ることに。
      • 遺伝子機械ではあるが、遺伝子を広めたいという意識的・無意識的な欲求を持っているわけではない。
  • 人間の心は「空白の石板」と考えられていたのに、社会生物学と進化心理学は反論しはじめた。
    • 異性の好みや性的な独占欲、近親姦への忌避感など。
      • これらはすべて学習と社会化、文化の影響と考えられていた。
    • そこに反旗を翻した。
    • 異性の好みや性的な独占欲、近親姦への忌避感などの進化的機能を理解するのに遺伝子機械という考え方が真価を発揮する。
    • 社会的な文脈においてのみ説明されていたことも、進化の観点から妥当な説明が可能。
      • どちらをどのように選べばいいのか?
    • 進化的な主張としては以下。
      • 配偶者の選好や嫉妬心なと、社会的に強い圧力があったとしても根絶しない。
      • 文化的な垣根を越えてもみられ、人類学者が100年以上探しても発見されていない。
      • 進化のあり方が人間と似ている動物にも、ここでの議論に挙がっている形質の多くが存在する。
  • ミラーの主張:人間のもつ形質のうち他の動物ともっとも異なっている形質の多くは、配偶のための飾りである。
    • そのもっとも顕著なのが、アートや音楽、ユーモアなど。

    • 67.「性選択によって、小さく効率的だった類人猿式の脳は、大きくてエネルギーばかりを食うハンデと化してしまい、会話やコン学、アートのような贅沢なものをひねり出してばかりいる」

    • 社会的な産物ではない、と。

    • 確かに配偶者の選好は進化を生み出す源。

      • 心も形作り得ると考えるのが自然。
    • 知性、芸術やアートを含む文化的行為が自然選択により残った。

      • 他のものであった可能性はある。
    • これらを持つものは、高い適応度を示してきたのではないか。

    • 「生物の行動はすべて遺伝子を次世代に引き継ぐためのもの」という主張と「生物は遺伝子を次世代に引き継ぐように設計されている」という主張は明確に異なる。

      • 適応的でないものも存在する。
  • 「進化のミスマッチ」
    • 人間の現在の環境と、進化の過程で取り巻いていた環境との間にはミスマッチが。
    • 人類は長いこと狩猟採集民として過ごし、それ以外の暮らし方は数万年程度。
    • その中でいくらかの適応はあるが、タバコを吸ったり避妊具をつけたりという不可解な行動に適応するまでには年月が全然足りてない。
      • タバコは進化において新奇なもので、嫌うように進化するだけの時間がまだ経ってない。
      • 水から出た魚。
  • 肥満を恐れないこと、クモや蛇を怖がること。これはも進化のミスマッチ。
    • クモや蛇よりも肥満やタバコや避妊器具の方が怖いが、それを恐れないのは人類の多くの時間でクモや蛇が脅威だったから。肥満やらはまだ適応するほどには長い月日を接してない。
    • 現代は人間の自然な本性とあっておらず、それが新たな心の問題を生み出しているのかも。
  • 三角小間
    • 適応の結果発生した、偶発的な副産物。
    • 親指を吸う子どもは、乳首を吸う適応の副産物。
    • 男性の乳首。
    • 女性のオーガズムは、男性のオーガズムの副産物。オスにとって適応的。
    • 動物の赤ちゃんが可愛く感じるのは、我が子を可愛く感じる副産物。
    • アートは、進化によって形作られた好みの副産物。

3 SeXX/XYな動物

  • 男と女のあいだには、違いがあるのか。
    • 社会科学者以外は誰もが知っている。なぜ社会科学者はない、と主張するか。
      • 文化や学習によるもの、と考えるから。
    • 女性が思っている、と考えていた恥ずべき過去があるため、男女の性差に慎重になる。
    • 進化生物学の領域は、自然選択を持ち出し、逆行するようにあるだろうと主張。
  • ヒト以外の動物の性差の主要10。
    • メスが大きく、オスが小さい。
    • オスの方が性的衝動性が強い。
    • メスは選り好みが激しい。
    • オスの方が装飾的要素を含むことが多い。
    • オスが交尾のために食料やテリトリーなどの「対価を支払う」種が多い。
    • オスは攻撃的。
    • オスの方がツノや牙などの武器を持っている。
    • メスはオスよりも早く成熟する。
    • メスはオスよりも長生きすることが多い。
    • 親が子育てをする種では、メスが世話のほとんどを行うことが多い。
  • 多くは、「一生に残せるこの最大数」の違いによって説明される。
    • オスの方が多いからこそ、見境なく交尾をしようとし、そのために争う。大きく、ケンカが強い方が有利。
    • 大きくなるためには時間がかかるし、争いの消耗でメスよりも早く死ぬ。
    • 子に対して投資するよりも、すべてをなげうってでも一度の繁殖の成功を狙う。
    • 性役割逆転種もいるが、えてしてメスのほうがオスよりも多くの子を残せる種。
  • 主要10の性差の多くは、人間にも当てはまる。
    • が、そこまで大きな性差ではない。そこまで大きくないのは、男性も子育てへの投資が他と比べて大きいから。
    • クジャクとテナガザルが両端で、人類はそのあいだ。
  • あらゆる結果が、男性は女性よりもカジュアル・セックスに関心を持ちやすい。が、なぜそうなるのか。
    • 進化の観点からの説明。
      • 子への投資の大きさの違いが、差を生む。
    • 社会文化的な説明。
      • 文化的規範として、男性にとっては良いもの、女性にとっては忌み嫌うべきもの、と教えてきたため。
    • 避妊ピルの登場によって、女性にもカジュアル・セックスが受け入れられるように。
      • が、これは文化的な説明の正しさを示すものではない。いくらかは影響しているが、何もないところから文化のみの力により性差が生まれた、ということにはならない。
    • 自然選択により、多くの動物で性差がある。文化によりそれが大きくなりうるかもしれないが、進化はないということにはならないことを多くの動物が示している。
  • 生物の全体的な傾向として、メスのほうがオスの容姿を 重視する。が、人間は逆で、オスの方がメスの容姿や若いかどうかを気にする傾向にある。
    • メスの繁殖の期間の短さによる。それにより若さが生殖能力の指標になる。なので、若々しさを重視する。